愛甲の架空鉄道あれこれ

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2006年 04月 24日

北総鉄道 モハ50形

【北総初の急行用電車】
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モハ50形 51号車

■はじめに
製造初年1928年。
電化の進展に伴い、従来、蒸機けん引で運行されていた長距離列車を電車に置き換える目的で新製された、北総初の急行用電車である。
1928年から断続的に増備され、最終的には10両の所帯となった。
製造はモハ10形と同じ日車東京支店である。



■設計コンセプト
本形式は、先に登場したモハ10形と組み合わせて使うことを前提に設計された。
すなわち、モハ10形を各停に充当し、本形式は急行に使用するという、車両面での「緩急分離」思想を踏まえた車両となっている。

■性能
急行用である本形式は、加速力よりも高速での巡航性能を重視している。
主制御器は三菱製の自動進段制御器(AL)で、北総では初となる弱め界磁が付与された。
それ以外の機器はモハ10系と共通化されており、主電動機は従来どおり三菱製の出力93kWのものを4台装架。
ブレーキはSME(のちにAMM化)。最高速度は85km/hで、台車は当時、北総の標準品となっていた日車D型を使用している(D18型)。

■車体・接客設備
車体は半鋼製17m級で、10形同様リベットで組み立てられている。
デザインは10形をベースとしているが、長距離用車両らしく、側面の客用扉は2つとなっている。戸袋の丸窓が印象的である。
車内は急行用ということで一部を除いてクロスシートとなっており、車端部には便所も設置されている。便所の前には手荷物用スペースが設置された。

■最後に
モハ10形および本形式で確立された「車両の緩急分離」という思想の根底には、「各々の目的に特化した車両を投入し、旅客サービスの均一化と全体的な底上げを図る」という考え方があった。「サービスの均一化と向上」という社会的なニーズがある現代ならともかく、開業からたった10数年しか経過しておらず、旅客サービスにまで気を配る余裕がないはずの1920年代からこのような思想を持っていた、北総の首脳陣の先見の明と進取の気風は特筆に値する。
そしてこの思想は北総・常総の伝統となり、それが打ち破られるのは、実に40数年後、2300形(のちの23系)の登場まで待たねばならなかった。

さて、肝心の本形式の活躍ぶりであるが、戦前は三ノ輪・動坂と宇都宮を結ぶ急行列車で活躍、戦後もしばらくの間は新鋭100形電車(のちの11系)とともに急行運用についていたが、1955年に急行が座席定員制の特急に格上げされると完全にその役割を100形に譲り、ローカル運用に転じた。その後、1962年~1964年まで活躍し、その後全車が全国各地の地方私鉄に散っていった。
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by aikoh_denki | 2006-04-24 21:35 | 常総急行の車両


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