愛甲の架空鉄道あれこれ

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2006年 03月 30日

51系交直両用通勤型電車

【私鉄初の交直両用電車】
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51系 2203号(51-2203)

■はじめに
製造初年1969年。
翌年に控えた茨城線開業に備えて常総が新製した私鉄初の交直両用電車であり、日本初の交直両用通勤型電車である。



■設計コンセプト
先に登場した23系が「万能車」を標榜したのに対し、本形式は基本的に「急行用車両」として開発された。これは、茨城線の駅間距離が比較的長いことと、長距離運用が主体であるため、23系のように近郊各停や支線区での小運転を考慮する必要がなかったからである。
なお、計画当初は筑波山や霞ヶ浦への観光客輸送を考慮して、3ドアセミクロスシートのいわゆる「近郊型」スタイルでの登場を予定していたが、いかに急行用といえども在来車との互換性を放棄するわけにはいかず、また、日々悪化してゆく通勤輸送の事情を考慮した結局、従来どおりの「通勤型」スタイルに落ち着いた。

■性能
編成は3R[Tc+M1+M2c]と5R[Tc+M1+M2+M1+M2c]の2パターンが登場。
茨城線開通当初の輸送状況からすると、本来ならば2Rおよび4Rが望ましいところであったが、本形式は交直流電車であり電装品が輻輳するため、やむなく編成両数を増やすに至った。
本形式の製造にあたっては、常総に交直流電車の製造ノウハウがなかったため、国鉄403系等を参考にしつつ、常総で必要とされる性能、すなわち、「急行用車両」に必要とされる高速性能と中・高速域での安定した走行性を加味することとした。

制御方式は抵抗制御。1C8M方式で出力120kWの直流直巻電動機を駆動する。
交流区間では変圧器にて交流20000Vを降圧の上、整流器を通じ交流を直流に変換して走行する。なお、変圧器は交流50Hzにのみ対応しているものを使用した。
駆動方式は中空軸平行カルダン、最高運転速度は急行用ということで120km/hである。
もっとも、本形式の登場時には認可速度が105km/hであったため性能を持て余し気味であったが、のちに認可速度が115km/hまで引き上げられると、(特に線路条件のよい茨城線で)その本領を発揮した。台車は23系と互換性のあるウイングばね式ペデスタル台車(KH55)を使用している。

■車体・接客設備
外見は23系と似ているが、屋上に特高圧配線・機器類を搭載するため、構体に若干の強化が加えられているほか、パンタ部分が低屋根構造となっている。
なお、交直両用車であることを明確にするため、幕板部にライトグリーンのラインを巻いている。
接客設備は23系と共通の4ドアロングシート。無論、このロングシートは、座面が低く奥行きの深い、かけ心地のよい座席である。
ただし、一部の車両では試験的に、扉間に4人掛けのボックスシート+2人掛けのロングシート×2が設置されたこともあった。いわゆるクロスシートであるが、これはロングシート車による長距離運用が不評であったことに対する施策であった。
しかしこれはシートピッチが狭く、ラッシュ時に詰め込みが効かないことから、利用者の不評を買ったため、のちにロングシート化されてしまった。
冷房化は1975年から開始され、1980年までに完了した。同時に行先幕の設置も実施された。

■最後に
本形式は、私鉄初の交直両用電車であり日本初の通勤型交直両用車であったが、ここから得られた実績と経験はのちに常総の交直両用車の土台となり、また、国鉄415系の通勤仕様車(500番台)などにも影響を与えた。
本来の目的である長距離運用に際しては、ロングシートで便所がないなど不評な点もあったが、のちに東京の通勤圏が学園都市や土浦、そして水戸まで拡大すると、皮肉にもその欠点が生きることとなった。

本形式は現在も、そのゆとりのある高速性能を生かして茨城線で使用されているほか、運用の都合で宇都宮線の急行運用に充当される場合もある。
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by aikoh_denki | 2006-03-30 23:08 | 常総急行の車両


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