2006年 03月 30日
【交流電化区間の新風】 ![]() 53系 2405号(53-2405) ■はじめに 製造初年1987年。 1984年に直流専用の新世代通勤車27系が登場し、直流電化区間の体質改善が図られたが、交流電化区間では依然として51系1形式のみで運行されていたため、電化方式の違いによるサービスの格差が問題となった。 そこで常総では、27系をベースに交直両用の通勤型電車を製造することとした。その結果、誕生したのがこの53系である。 ■設計コンセプト 外見は同時期に増備されていた直流通勤車・27系と瓜二つであるが、交直流車両である51系の後継車であるため、交流区間用の機器・装備が追加されている。 また、万能車思想に基づいて設計された27系と異なり、本形式は51系の思想を受け継いでいるため、急行用車両として設計された。 ■性能 51系の組成を受け継ぎ、3R[Tc+M1+Mc2]と5R[Tc+M1+M2+M1+Mc2]の2タイプが登場。 制御方式は、27系では界磁チョッパ方式であったが、本形式では交直流車であることと、交流電化区間の列車密度が低いことを考慮し、引き続き抵抗制御を採用した。 27系では「新世代通勤車」ということで、在来車との併結を考慮していなかったが、本形式では数の少ない交直両用車を効率よく運用すべく、在来車との併結を実施することとなった。 よって、制動方式はHSC-Dである。出力130kWの直流直巻電動機を装架し、最高運転速度は120km/h。台車はSUミンデン台車で、27系と共通化されている。補助電源装置にSIVが採用されているのも同様。 ■車体・接客設備 車体も27系をベースにしているが、51系同様、屋上機器の重量増に対応して、構体の強化が行われている。 車内は51系で失敗に終わったはずのクロスシートが車端部に復活し、扉間がロングシート、車端部にはクロスシートとなっている。車端部ならばクロスシート化しても(比較的)ラッシュの邪魔にならず、ロングラン運用にも対応できるという発想であるが、このクロスシートの評判は上々である。 冷房装置その他の接客設備は、27系とほぼ共通となっており、交流電化区間の接客サービスの向上に寄与した。 ■最後に 本形式は基本的に、27系の車体に51系の足回りを組み合わせたものと解釈して差し支えない。 したがって足回りはロートルと何ら代わり映えしないが、本形式の開発目的が「交流区間にも直流区間と同様のサービスを提供する」という点にあったため、性能面の古臭さはあまり問題でない。 もっとも、最近ではさすがに陳腐化も否めないため、制御方式が界磁添加励磁化されたり、車内設備の更新が行われている。
by aikoh_denki
| 2006-03-30 23:16
| 常総急行の車両
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