愛甲の架空鉄道あれこれ

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2005年 10月 09日

架鉄と土地勘-2つの「土地勘」

先日、岡福電車の作者のhiroさんとお話しさせてもらった際、「土地勘」の話題が出ました。

私見ですが、土地勘というものは、架鉄を楽しむ上で欠かせないものといっても過言ではないと思います。架鉄において風景・情景を空想するには、まずそのバックグラウンドである「土地」を知らねばなりません。「その土地を知っている」こと、それが土地勘です。



ただ、単に「土地勘」といっても、いろいろな要素を内包しており、一言で表すのは難しいものがあります。
ちなみに辞書では土地勘を『その地域の事情に通じていること。』と定義しています。(出典:三省堂「大辞林 第二版」)

これではかえって捉えどころがなくなってしまうので、あえて学問的に言うと、土地勘とは大は人文地理学や地政学、小は地誌学や地形学にいたるまで、幅広い分野にまたがるのです。
具体例を挙げるとすれば、東京から横浜までの距離感やその途中にある土地・地域のことをある程度知っているのならば「土地勘がある」といえるでしょうし、逆に東京駅や横浜駅周辺の街を知っていることも「土地勘がある」と言えます。

このように「土地勘」は、非常に広い意味合いをもつ言葉であると言えるでしょう。

ゆえに、各架鉄(とその作者)が読者に求める「土地勘」というのも、その架鉄の内容によって変わってくるのではないかと、私は思います。つまり、「架鉄を通じて何を表現したいのか」ということの中身次第で、読者が持つべき(あるいは作者が提供すべき)「土地勘」の中身、規模は変わってくるのです。

たとえば、駅とか電車のある日常生活を描きたいのなら、よりミクロな「土地勘」が必要になります。前述の「学問的表現」を用いるならば、この「土地勘」では地誌学や地形学が必要となります。「この辺りは新興住宅地だから、朝夕の通勤ラッシュが大変そうだけど昼間は閑散としてそうだ」とか「このあたりは丘があるのでアップダウンが激しそうだ」とか「この駅の周りは高校とか大学が多いから終日学生で賑わってそうだ」などと想像するためには、その土地にどんな施設や地形があり、どんな人々が、どんな様態を以って生活しているのかを、ある程度知っている必要があります。

逆に、架空の路線・鉄道(会社)の存在そのものを表現したい場合や、ダイヤグラムの作成を楽しみたい場合は、各都市の位置関係や、それに基づく旅客流動・需要といったものを、ある程度知っている必要があります。いうなれば人文地理学や地政学的な、大きな意味での「土地勘」が必要になるのです。

このように、架鉄を楽しむ上では、2種類の土地勘があることになります。
ただ、どちらにしろ作者サイドとしては、hiroさんがおっしゃったように「土地勘のない人にもわかりやすくするにはどうしたらいいかな?」という観点を、常に持ち続ける必要があると思います。少なくともweb上で「自分はこんな架鉄を作りました、どうぞ見てください」と言っている以上は、見てもらうために必要な配慮を怠るわけにはいかないと個人的には思うのです。そして、その「配慮」というのは、たとえば地図であったり、簡単な地誌であったり、あるいは実地調査であったりと、いろいろな方法によって具現化することができると思います。

もっとも、この「土地勘の提供」という代物は「言うは易いが行うは難し」の典型であり、この問題の難しいところです。なぜなら、土地「勘」ということからもわかるとおり、実感を伴ってはじめて身につくものなので…
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by aikoh_denki | 2005-10-09 01:36 | 架空鉄道全般


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