愛甲の架空鉄道あれこれ

josoexp.exblog.jp
ブログトップ
2010年 01月 16日

邪険

b0060079_048282.jpg【キハ40 568】 1993年8月24日 土浦駅にて
別掲のキハ45とキハ28のツーショットを撮影した「ついで」に撮った1枚。
やはり水郡線から高崎区に転属した車両である。

「ついで」というのは、この当時でも、キハ30・35やキハ23・45はすでに「絶滅危惧種」として認識していたため、比較的多く撮影していたが、キハ40の一派は全国各地に大量にいたため、駅で見かけても気にも留めなかったゆえである。
むしろ、どこにいっても見かけられる、何の変哲もない車両であった。

特に常武線ではキハ40に当たると、「ハズレ」という感じすらあって、邪険にしていた。常武線詣での目当ては、あくまでもキハ30・35やキハ23・45、あるいはキハ28・58だったからである。

そしてこのキハ40、個人的には発車時のエンジン音も苦手であった。
DMH17Hを装備した系列は比較的静かに、スーッと発車するのだが、このキハ40だけはエンジンをガリガリガシャガシャ唸らせて、それでもピクリともせず、ワンテンポ遅れてようやく動き始める有様。これがなんとももどかしく、イライラさせるものであったが、今となっては現存するキハ40の大多数がエンジンの交換や高出力化改造を受けていると聞く。

そんな話を趣味誌やwebで聞くに及ぶと、やけにあの「もどかしい発車」が懐かしく感じられるというのは、あまりにも現金すぎるだろうか。

追記:
【キハ40 568】 エンジン音 1993年8月24日 小張駅にて

苦手なはずだったキハ40のエンジン音が、なぜか手元に残っていた。
どうも気まぐれで録音したらしい。
この音も今となっては昔語り。せっかくなので、あわせて公開する。
(再生の折には、音量に注意願いたい)



<以下、作者メモ>
【実車番号:キハ40 506】 1991年8月26日 奥羽本線弘前駅にて撮影
【エンジン音:キハ48 ???】 2006年9月10日 石巻線小牛田駅にて録音

この写真の撮影場所、ノーヒントであっても、米子か弘前あたりと言われるでしょう。
左隣の白帯なしの12系が、この写真が撮られた場所を如実に物語っています。

この【キハ40 506】という車両、今は「リゾートしらかみ」に改造されてしまったそうです。
毎日黙々と地域輸送に当たっていた車両がある日突然、観光列車という非日常の主役へ抜擢された、というわけです。
人間万時塞翁が馬、とはよく申したものです。

さて、キハ40・47・48の心臓部たるDMF15HSAの、クマゼミが鳴くが如きむさ苦しいアイドル音も、最近では耳にしなくなりました。
四国を除く東海以西のキハ40・47・48の多くがエンジン換装工事を受けています。

しかし、先日、新潟を旅行した際に、久しぶりに原型エンジンのキハ47に乗車する機会を得ました。
それも非冷房車、です。

b0060079_020549.jpg

【キハ47 1129】 2010年7月19日 羽越本線新津駅にて撮影

むさ苦しいアイドル音と、何をしても逃れられない炎暑、開け放たれた窓、吹き渡る風。
昔は当たり前だったことが、今になっては逆に新鮮、そして貴重な体験になるというのも、何だか皮肉な話です。
このキハ47のように、窓の開く車両、冷房のない車両も、そのうちSLのように過去の遺物になっていくのでしょう。
そして、当然、そんなありふれた車両たちは、SLなんかよりもはるかに注目度も低く、ひっそりと消えていくに違いありません。

ですが、今のSL群がそうであるように、単に車両を残すだけでは、その車両が存在していた昔の日常風景を後世に伝えることにはつながりません。
あんなにピカピカに磨かれたSLは、現役時代どれほどいたでしょうか? 特別整備機でもない限り、SLは煤まみれであったはずです。

そう考えると、延命処置を施された偽りの日常を見せつけられるぐらいなら、ひっそりと消えていった日常に、そっと想いを馳せたいという思いを新たにするのです。
[PR]

by aikoh_denki | 2010-01-16 00:52 | JR常武線


<< 灼熱      余生 >>