2009年 07月 20日

名鉄の偉大さ

名古屋に来る前は、「何で東海地方を舞台とする架空鉄道が少ないのだろう?」などと思っていましたが、2年半住んでみて、その理由を身をもって実感しました。

いろいろ考えたり調べたりして、「これは難しい」と。

都市圏の規模や地勢的な部分もありますが、何を差し置いても、名鉄の存在が大きすぎます。
これほどまでに架鉄然とした実在鉄道はありません。



路線の特性ひとつとっても、都市間電車(本線)、郊外電車(犬山線、津島線・尾西線、西尾線、三河線etc...)、新規開業路線(豊田線)、軌道上がり(豊川線)、独立ターミナル(小牧線)、離れ小島(瀬戸線)、モノレール、さらには路面電車(岐阜600V線区)に未成線(三河線末端区間)まで。さながら私鉄路線の特性の見本市のようです。

歴史を紐解いても、中小私鉄の離合集散の果てに名岐と愛電の両雄が生まれています。
さらにその両雄の合併にいたっては、「過剰投資のツケに苦しむ愛電を、堅実経営の名岐が救済合併する」という理由で行われています。
戦時統合ではない点に注目です。

また、名鉄の成立にかかわった鉄道を挙げていくと、「名古屋電気鉄道~名岐鉄道」「愛知電気鉄道」「尾張電軌」「一宮電鉄」「熱田電軌」「尾西鉄道」「谷汲鉄道」「三河鉄道」「尾北鉄道」「瀬戸電気鉄道」「碧海電鉄」「西尾鉄道」「岐北軽便鉄道」「長良軽便鉄道」「各務原鉄道」「美濃電気軌道」「豊川鉄道(今の飯田線の一部)」と、挙げても挙げてもキリがありません。

車両面でも、パノラマカーを初めとする特急電車から3ドアの通勤電車や地下鉄直通車。
それだけでもおなかいっぱいなのに、2ドアの準優等車や機器流用の更新車まで。
さらに昔は昭和ヒトケタ生まれの丸窓電車に札幌出身の路面電車に、国鉄線を走破してさらにその先の私鉄まで入っていってしまう気動車に、不採算路線を電化から非電化へわざわざ「退行」させてまで投入されたレールバス、米軍払い下げのディーゼル機関車(それも電気式!)まで。
まさに魑魅魍魎。

名古屋では、こんな生い立ちの鉄道が、2面3線の恐ろしく狭い通過式ターミナル駅で1日14万人近い乗客をさばいたり、ターミナル近辺の線路をJRと共用しているがゆえに乗り入れ本数を制限されたり、平面交差のデルタ線があるのに電車を2分30秒間隔で走らせたりしつつも、毎日、平然と営業しているのです。

こいつはかなわんなぁ…
名鉄は偉大なる「事実は架鉄より奇なり」です。
逆に、名鉄が「普通の鉄道であったら…」ということを想像するほうが楽しいのかもしれません。
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by aikoh_denki | 2009-07-20 11:51 | The NGY Project


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